バランス釜の交換時期の目安と3つのリフォームパターン
この記事はバランス釜の交換を検討している方に向けて、寿命や適切な交換時期、費用目安などを解説します。
交換のパターンやDIYについても説明していますので、バランス釜を10年前後使っている方はぜひ参考にしてください。
Contents
バランス釜交換時期の目安
ガス給湯設備の一種であるバランス釜は10年が標準使用期間となっています。
実際は10~13年前後で調子が悪くなって交換する方が多いようです。
- 変な音や臭いがする
- お湯の温度が安定しない
- お湯にならない時がある
- 目視できるサビや水漏れが発生している
バランス釜の使用中に上記のようなサインが出たら、寿命と考え交換を検討するのがおすすめです。
いつもと違う音や臭いはガスの不完全燃焼のサインの可能性があり、爆発など重大な事故につながる恐れもあります。
またお湯の温度が安定しない状態は、いきなり熱くなって火傷に発展するケースも。
10年未満でも寿命のサインが出たら、給湯器メーカーや私たちリフォーム店に点検や見積もりなどをご相談ください。
バランス釜の交換方法3つ
一般的にバランス釜を交換する場合、次の3パターンの方法が考えられます。
①同じタイプのバランス釜に交換する
今と同じサイズや形式のバランス釜に交換するのは、一番シンプルで費用を抑えやすい方法です。
最近の新築では見かけることが減ったバランス釜ですが、現在も給湯器メーカー各社から後継モデルが販売されています。
よほど特殊な設置状況でなければ、後継モデルを見つけて交換することができるでしょう。
②ホールインワンタイプに交換する
浴槽とバランス釜を同時に交換するのなら、「ホールインワンタイプ」「壁貫通タイプ」と呼ばれるものを選ぶ事もできます。
ホールインワンタイプは壁に給湯器本体を埋め込むことで、空いたスペース分浴槽を伸ばすことができるのが特徴です。
メーカーによって「バスイング」「カベピタ」「パックイン」など呼び方が違うこともあります。
広い浴槽で足を延ばしたい方、ちょうど浴槽も寿命が来ていて交換を考えている方は、ホールインワンタイプも検討してみましょう。
③ガス給湯器に切り替える
浴室内のバランス釜を撤去して、屋外設置型のガス給湯器に切り替えてしまうのも一つの手です。
一戸建ての場合は屋外にスペースがあれば、マンションの場合はさらに管理規約をクリアできればガス給湯器に切り替えできます。
キッチンとお風呂の給湯を一台にまとめることができ、次の交換時の費用負担の軽減につながります。
給湯機に切り替えておけば、将来ユニットバスに交換するときもムダになりません。
屋外設置のガス給湯器は追い炊きやリモコンなど機能が充実しており、水圧の弱さなどバランス釜のデメリットにも対応できるのがメリット。
交換費用は少し高めになりますが、これからも長く暮らすマイホームなら検討する価値は大きいでしょう。
バランス釜のメリット・デメリット
現在主流の一般的なガス給湯器とバランス釜を比較した際の、メリット・デメリットもチェックしておきましょう。
メリット
バランス釜には次のようなメリットがあります。
- 価格が安い
- 停電時でも使える
バランス釜は一般的なガス給湯器より製品価格が安いため、同じタイプに交換するならリフォーム費用を抑えられるのがメリット。
また一般的には電池を使って点火するため、家全体が停電していてもお湯が使えるのも意外なメリットと言えるでしょう。
デメリット
一方バランス釜のデメリットとしては、次のような点が挙げられます。
- 機能が少ない
- 浴槽が狭い
- すき間があり掃除が難しい
- 寒さが浴室に入りやすい
- 水圧が弱い
- 電池交換が面倒
- 手順が面倒
最近は追い炊き機能付きのバランス釜もありますが、主流のガス給湯器に比べると選べる機能は少なめです。
また浴室内に給湯器本体があることで、浴槽が数十センチ狭くなってしまうのも大きなデメリット。本体と壁・床のすき間が大きく清掃も難しいため、汚れや外気の侵入が気になる方も多いようです。
バランス釜自体の給湯能力が低く、シャワーの水圧が弱いのも不満の原因になっていることが多いです。
慣れれば気にならないものの、お風呂に入るたびに元栓を開けて点火する手順も、ガス給湯器にないわずらわしさと言えるでしょう。
点火ミスによるガス漏れ、空焚きによる本体の故障など、操作間違いが原因で壊れるリスクがあるのもバランス釜のデメリット。
結論・長く暮らす家なら給湯器の交換がおすすめ
バランス釜のメリット・デメリット両方を踏まえると、これからも数十年暮らすご自宅ならガス給湯器への交換がおすすめです。
バランス釜の安さは大きな魅力ですが、清掃性や操作性などのデメリットが不満の原因になることも多いです。
あと10年で建て替えや住み替えが決まっているなど特別な事情がなければ、少し費用をプラスして給湯器に交換するメリットの方が大きいでしょう。
実際に見積もりを取る時はバランス釜・ガス給湯器両方のパターンを出してもらって、費用対効果を踏まえながら検討してみてください。
バランス釜交換のDIYは可能?
本体が分かりやすい場所に設置されているバランス釜ですが、一般の方によるDIY交換はできません。
ガスを使ってお湯を沸かすバランス釜は、国家資格のガス設備士が必須となります。
また給水管との接続もあるため、給水装置工事主任技術者の資格も欲しいところです。
器用な方ならご自身で交換すること自体は不可能ではないものの、ガス・水漏れは重大な事故・トラブルの原因となります。
交換費用を節約して大切な我が家を傷めては意味がありませんし、ガス事故による命の危険も考えられます。
またインターネットで安くバランス釜を購入して、交換工事だけ近所のお店に頼む「施主支給」もあまりおすすめできません。
今のバランス釜に合うタイプか判断が必要になりますし、お店によっては施主支給に対応してくれないところも多いです。
仮にトラブルがあったとき、工事と製品どちらに原因があるか分からないため、工事保証が付かなくなるのも施主支給のデメリット。
バランス釜のDIYは絶対に検討せず、なるべく近所で専門性高いリフォーム店に相談してください。
賃貸住宅のバランス釜交換について
バランス釜が付いているアパートや賃貸マンションにお住まいの場合は、まず必ず管理会社や大家さんに相談しましょう。
賃貸住宅の場合、無断でバランス釜を交換すると契約違反になる可能性が高いです。
仮に自分で費用を負担して交換しても、退去時に原状回復にかかる費用を請求されてしまう恐れもあります。
もしバランス釜の調子が悪い・使い勝手が良くないと感じたら、まず大家さんに声をかけてみてください。
バランス釜の調子が悪いと認められれば、大家さんの費用負担で交換してくれるかもしれません。
まとめ
毎日の入浴を担う大切なバランス釜は、調子が悪くなってきたらなるべく早めに交換を検討しましょう。
そのまま交換するだけでなく、浴槽が広くなるホールインワンタイプ、屋外設置のガス給湯器なども比較検討してみてください。
バランス釜の交換時期はほかの水回りもメンテナンスタイミングとなりますので、今後も長く付き合えそうな信頼できるリフォーム店を探しましょう。
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