エコキュートとガス給湯器を徹底比較|エコキュートに交換するメリットや注意点も
現在ガス給湯器を使っているが、エコキュートへの交換を検討している方もいると思います。
エコキュートはガス給湯器と比べて省エネ性が高いため、光熱費が抑えられることが最大の魅力です。
では、初期費用やメンテナンス、使い勝手などはガス給湯器と比べてどうなのでしょうか。
今回は、ガス給湯器とエコキュートを徹底解説します。
コラムのポイント
- エコキュートはヒートポンプによってお湯を加熱する、省エネ性が高い給湯器です。
- ランニングコストは抑えられるが、初期費用はガス給湯器の方が安いなどのメリット・デメリットがあります。
- ガス給湯器とエコキュートの違いをしっかり理解して、暮らしに合う給湯器を選びましょう。
Contents
エコキュートとは
エコキュートは電気を熱源とし、ヒートポンプでお湯を沸かす給湯器のことです。
ヒートポンプとは、空気中の熱エネルギーをポンプのように組み上げて、必要な場所へ移動させる技術です。
エコキュートでは、ヒートポンプによって温められたお湯は、貯湯タンクに溜めておく仕組みになっています。
ヒートポンプを使ったエコキュートは、電気やガスの力を使うだけの給湯器よりも省エネ性が高いことから、近年多くのご家庭で採用されています。
また、電気代が安い夜間電力を使ってお湯を湧き上げるため、ランニングコストが抑えられる点も魅力です。
エコキュートリフォームの施工事例はこちらをご覧ください。
ガス給湯器とは
ガス給湯器とは、ガスを熱源として水を温める給湯器のことです。
配管を流れる水をガスの力によって加熱する、シンプルな仕組みです。
リフォームを検討するような築15~20年くらい建物では、ガス給湯器が採用されていることが多いです。
故障時は、エコキュートではなく再度ガス給湯器に交換するケースも少なくありません。
ちなみに、ガス給湯器の中に「エコジョーズ」という商品があります。
こちらはお湯を沸かしたときに排出される高温のガスを利用する、省エネ性能の高いガス給湯器です。
効率よくお湯を沸かしたいなら、エコジョーズを検討してみてくださいね。
【項目】エコキュートとガス給湯器を徹底比較
エコキュートとガス給湯器を項目ごとに比較していきましょう。
①導入価格
エコキュートよりもガス給湯器の方が安価で採用できます。
交換の費用目安は次の通りです。
- エコキュート:約40~60万円
- ガス給湯器:約15~30万円
ただし、こちらはエコキュートからエコキュート、ガス給湯器からガス給湯器への交換した場合の費用です。
ガス給湯器からエコキュートへ交換するなら、次のような工事を行う必要があります。
- 設置面の基礎工事
- 配管工事
- 電気配線工事
これらの工事で、約10~20万円上乗せされることが多いです。
とにかく初期費用を抑えたいなら、ガス給湯器を選びましょう。
②寿命
ガス給湯器・エコキュートの寿命は、どちらも10~15年が一般的です。
ただし、中には10年未満で故障するケースもありますし、20年近く使えるケースも。
寿命に関しては、ほとんど差がないと言えるでしょう。
▷関連コラム:給湯器の寿命と交換タイミング|壊れる前に交換するメリットも
③ランニングコスト
導入後のランニングコスト(電気代・ガス代)はエコキュートの方が抑えられます。
それぞれの光熱費の目安は次の通りです。
【月々】光熱費の目安 | 【年間】光熱費の目安 | |
---|---|---|
ガス給湯器(エコジョーズ) | 約8,205円 | 約98,460円 |
エコキュート | 約3,100円 | 約37,200円 |
月々で約0.5万円、年間では約6.1万円もの差があります。
単純計算ではありますが、15年間使うことができた場合、91.5万円もエコキュートの方がランニングコストが安いです。
導入費用はエコキュートの方が高いですが、長い目で見るとお得になるケースも少なくありません。
採用する給湯器の省エネ性能を確認し、ランニングコストも踏まえて価格の比較を行いましょう。
④設置スペース
設置スペースはガス給湯器の方がコンパクトです。
ガス給湯器は本体が1つだけですが、エコキュートはヒートポンプと貯湯タンクの2つに分かれます。
全体のサイズの違いは次の通りです。
ガス給湯器(エコジョーズ) | エコキュート(ヒートポンプ) | エコキュート(貯湯ユニット) | |
---|---|---|---|
高さ | 60cm | 67.2cm | 181cm |
幅 | 47cm | 79.9cm | 60cm |
奥行 | 24cm | 29.9cm | 68cm |
▷参考ページ|ふろ給湯器(RUF-Eシリーズ) - エコジョーズ |リンナイ
▷参考ページ|S シリーズ フルオート | エコキュート | Panasonic
エコキュートはヒートポンプだけでも、ガス給湯器本体より大きいため場所を取ります。
また、エコキュートは地面に置く据置型のみですが、ガス給湯器は外壁に取り付ける壁掛型も選択可能です。
お住まいの周りにスペースがない場合、エコキュートが設置できないこともあります。
本体の前方、側面などにスペースを取るなどの基準もありますし、人が入れるスペースがないとメンテナンスも行うことができません。
エコキュートを採用する場合は、設置するためのスペースが確保できるか確認してくださいね。
ちなみに、エコキュートはスリムタイプもありますので、スペースの確保が難しい場合は検討しましょう。
⑤水圧
シャワーの水圧はガス給湯器の方が強いです。
なぜなら、ガス給湯器は水道と直結しているため、水道の水圧をそのまま使うことができるからです。
一方で、エコキュートは貯湯タンクに溜めているお湯を使います。
貯湯タンクは水道の水圧では耐えられないため、減圧弁というものが付いていて水圧を調整しています。
それぞれの水圧の目安を見てみましょう。
水圧 | |
---|---|
ガス給湯器 | 500kPa程度 |
エコキュート | 180kPa程度 |
エコキュート(高圧タイプ) | 280~325kPa程度 |
▷参考ページ|ウルトラ高圧給湯|エコキュート|Panasonic
エコキュートはガス給湯器の1/3程度の水圧です。
高圧タイプのエコキュートでも、ガス給湯器の2/3程度の水圧しかありません。
これまでずっとガス給湯器を使ってきたご家庭では、エコキュートの水圧の弱さにストレスを感じてしまう可能性があります。
高圧タイプを選んだり、低水圧用のシャワーヘッドへ交換したりするなどの対策を取りましょう。
⑥機能性
機能性はエコキュートの方が優れています。
メーカーによりますが、ガス給湯器にはない機能がついている商品も多いです。
- Panasonic:「エコナビ」で専用アプリにて操作が可能
- 三菱:深紫外線採用のUV-LEDユニット「キラリユキープPLUS」でお湯を除菌、マイクロバブルで配管掃除
▷参考ページ|エコキュート専用アプリ|エコキュート|Panasonic
ガス給湯器(エコジョーズ)でも基本的な便利機能は備わっていますので、不便さを感じることはないはずです。
より機能性にこだわりたいなら、エコキュートがおすすめでしょう。
⑦メンテナンスやお手入れ
メンテナンスやお手入れは、シンプルな仕組みであるガス給湯器の方が楽です。
ガス給湯器の基本的なお手入れは次の2つです。
- 浴槽フィルターをきれいにする
- 本体周囲のごみを取る
お風呂掃除のときに浴槽内にあるフィルターの汚れを取り除くこと、そして屋外にある本体をきれいにすることだけです。
一方、エコキュートでは上記の2つのお手入れの他に、半年に1回程の頻度で次のようなお手入れが必要です。
- 貯湯タンク内の排水
- 風呂配管の洗浄
エコキュートでは追い焚き時などにお湯を循環させるため、風呂配管や貯湯タンク内が汚れてきます。
排水や洗浄を行って、きれいに保つことが長持ちさせる秘訣です。
また、どちらも定期的に点検を行い、不具合がないか確認しましょう。
⑧災害時
災害時についても確認しておきましょう。
ガス給湯器は、停電時でもガスが使えればお湯が出ると思っている方が多いと思います。
しかし、多くの住宅で採用されているエコジョーズなどのガス給湯器は、100Vの電源を使っているため停電時は使用できません。
ただし、停電モードを搭載したガス給湯器は、ポータブル電源などから電気を供給することで使うことが可能です。
一方、エコキュートは停電してしまうと新たにお湯を沸かすことができませんが、貯湯タンクに溜まっているお湯は使うことができます。
また、断水時には「非常用取水栓」からタンクに溜まった水を取り出して、生活水として使うことが可能です。
▷参考ページ|地震・停電・断水時における取り扱いに関するご注意(住宅向け)|Panasonic
ガス給湯器からエコキュートへ交換するメリット
ガス給湯器からエコキュートへ交換するメリットを紹介します。
ガス代を削減できる
ガス給湯器からエコキュートにすることで、給湯にかかるガス代を削減することができます。
また、比較でもお伝えした通り、エコキュートに交換することでランニングコストを大幅に抑えることが可能です。
毎月かかる光熱費の負担を抑えたいなら、エコキュートを採用することをおすすめします。
オール電化にできる
元々IHのキッチンを使っているなら、給湯器をエコキュートにすることで、オール電化の住まいにすることが可能です。
または、給湯器の交換と一緒にキッチンのリフォームを行い、ガスからIHへ変更を行っても良いでしょう。
太陽光発電がある家庭は、オール電化にすることで発電した電気を効率的に活用でき、より光熱費を抑えることが可能です。
また、電気は災害時の復旧も早く、ガス漏れの心配もありません。
オール電化にすればプロパンガスのボンベも撤去するため、エコキュートの設置スペースを確保することもできます。
補助金制度を活用できる
ガス給湯器からエコキュートへ交換することで、補助金を活用できる場合があります。
国が行っている補助金事業が「給湯省エネ事業」で、リフォームでエコキュートを採用する場合は1台当たり8万円の補助額です。
さらに、機能性や省エネ性が高いエコキュートを採用すると、最大で5万円の加算があります。
その他に、自治体が独自で行っている補助金制度もあります。
給湯省エネ事業と併用できる場合もありますので、お住まいの自治体のホームページを確認してみてくださいね。
エコキュートへ変更する際の注意点
ガス給湯器からエコキュートへ変更する際の注意点を紹介します。
お湯切れすることがある
ガス給湯器は使う分の水道水を直接ガスで温める方法でしたが、エコキュートは温めたお湯をタンクに保管しておく方法です。
そのため、お湯をたくさん使うとタンク内が空になってしまい、お湯切れすることがあります。
タンク内のお湯が少なくなると、自動で沸き増ししてくれる機能があるエコキュートがほとんどです。
しかし、昼間に沸き上げると電気代が割高になってしまいます。
いつもよりお湯をたくさん使う予定があるなら、前日に多めのお湯を沸き上げるような設定をしておくことをおすすめします。
お風呂が2階以上だと更に水圧が弱まる
エコキュートはガス給湯器と比べて水圧が弱いとお伝えしました。
お風呂が2階以上にあるお住まいの場合、1階のシャワーよりもさらに水圧が弱まります。
2階以上のお風呂を快適に使いたいなら、エコキュートの高圧タイプを採用しなければなりません。
高圧タイプは、スタンダードタイプのエコキュートよりも価格が高いため、初期費用がかかります。
リフォームの依頼をする際は、2階以上にお風呂があることを伝え、高圧タイプの見積りを貰うようにしてくださいね。
まとめ
エコキュートは省エネ性や機能性の高さが魅力の給湯器です。
災害時もタンク内の水を使えるため、ある程度の湯量を確保することができます。
ただし、初期費用やメンテナンス面はガス給湯器と比べて劣る点です。
お住まいに合う方はどちらなのか考え、適切な給湯器を選びましょう。
埼玉県入間市・所沢市・狭山市・川越市の給湯器交換はハウスリンク
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エコキュートとガス給湯器に迷われている方も、ぜひお気軽にお問い合わせくださいね。
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