タンクレストイレはやめたほうがいい?メリット・デメリットを解説
最近はトイレの性能やデザイン、お掃除のしやすさが大きく進化しています。
中でも、スッキリした見た目のタンクレストイレは、リフォームの際に気になる方も多いのではないでしょうか。
しかし、インターネットや噂話では「タンクレストイレはやめたほうがいい」と言われていることも少なくありません。
今回はタンクトイレのメリット・デメリットを掘り下げ、やめたほうがいいと言われる理由を解説します。
コラムのポイント
- 「タンクレストイレ」はタンクのないトイレで、コンパクトなデザイン性や機能面が優れています。
- 一方で複雑な構造をしているため費用面やメンテナンス面などにデメリットも。
- タンクレス・タンク付きトイレ両方のメリット・デメリットを理解して商品を選ぶことが大切です。
Contents
- タンクレストイレとは?
- タンクレストイレとタンク付きトイレの違い
- タンクレストイレの価格の目安
- タンクレストイレのメリット
- 掃除がラクちん
- トイレを広く使える
- デザインがオシャレ
- 節水性能が高い
- 選べる機能が多い
- 水を貯める時間が要らない
- タンクレストイレのデメリット
- 本体に手洗いが付かない
- 停電すると不便
- 水圧が弱いと設置できない
- 本体が高い
- ウォシュレットは専用品になる
- タンクレストイレはやめたほうがいいと言われる理由
- 構造が複雑で寿命が不明
- ウォシュレットが一体で交換時に高額
- 費用をほかに回した方が良い
- タンク付きトイレでも十分
- 【メーカー別】人気のタンクレストイレを紹介
- TOTO(ネオレスト)
- LIXIL(サティス)
- Panasonic(アラウーノ)
- まとめ
タンクレストイレとは?
タンクレストイレとは、便器の後ろ側に水を貯めておくタンクが無いトイレのことを指します。
コンパクトでスッキリとした見た目が最大の特徴です。
タンクレストイレとタンク付きトイレの違い
タンクレストイレとタンク付きトイレには次のような違いがあります。
タンクレストイレ | タンク付きトイレ | |
---|---|---|
水が流れる仕組み | タンク内の水を重力によって流す | 水道の圧力を利用して直接流す |
見た目 | 便器と本体が一体型でスッキリ | 便器と本体が別々で圧迫感がある |
タンクレストイレは、トイレ本体と水道が直結していて、圧力によって水を流しています。
そのため、タンク付きトイレのようにたくさんの水を溜めておく必要がありません。
また、狭いトイレでは、タンクがあることによって圧迫感が出ることがあります。
タンクレストイレなら、コンパクトなサイズなのでトイレ内がスッキリとして見えます。
タンクレストイレの価格の目安
人気のメーカーが扱うタンクレストイレの価格の目安を紹介します。
- TOTO(ネオレスト):税込34.3万円~
- LIXIL(サティス):税込30.4万円~
- Panasonic(アラウーノ):税込28.4万円~
こちらの金額は各メーカーが提示している定価の税込価格です。
実際のリフォーム会社の販売価格とは異なる点、また施工費が追加でかかる点をご承知おきください。
施工費を含む事例はこちらで紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
▷関連コラム:タンクレストイレのリフォーム|費用や後悔しないためのポイントを解説
各メーカーのタンクレストイレの中でもさまざまなグレードがあり、機能やデザイン性が異なります。
トイレは数十年使う設備ですので、長い目で見て使いやすいメーカーやグレードを検討してみてくださいね。
タンクレストイレのメリット
タンクレストイレのメリットを紹介します。
掃除がラクちん
タンク付きのトイレはタンクと便器が分かれているため、つなぎ目に汚れが溜まりやすいです。
また、タンク裏の壁・床にもホコリが溜まりやすいですが、手をトイレ裏まで回して拭かなければなりません。
一方で、タンクレストイレはタンクと便器のつなぎ目が無く直線的なため、普段の拭き掃除をしやすいのがうれしいポイント。
床を拭くときも、タンクの裏側に回り込まなくて済むのでラクちんです。
トイレを広く使える
タンクレストイレは、タンク付きトイレと比べてサイズがコンパクトなので、トイレを広く使うことができます。
TOTOのトイレでサイズを比較してみましょう。
商品名 | 幅 | 奥行き | 高さ | |
---|---|---|---|---|
タンク付きトイレ | アメージュシャワートイレ (上部手洗い付き) | 41.6cm | 76.4cm | 100.5cm |
タンクレストイレ | サティスSタイプ | 40cm | 63.5cm | 54.2cm |
▷参考ページトイレ(トイレ収納、温水洗浄便座、便器等)|LIXIL
タンクが無くなることでコンパクトになり、高さは約45cmも低くなります。
手洗いも無くなるため、少し低めの位置にインテリアを飾ったり収納棚を作ったりしても、水ハネの心配もありません。
また、タンクレストイレは奥行きもコンパクトな商品が多いという特徴があります。
1畳以下のトイレでも奥行きの窮屈さを感じにくく、快適に過ごせるのはかなりうれしいポイントです。
デザインがオシャレ
タンクレストイレは直線的かつコンパクトなシルエットで、デザイン性が高いのも魅力的なポイントです。
おしゃれなデパートやホテルで使われていることも多く、素敵なトイレ空間を作りたい方にピッタリです。
カラーバリエーションが豊富なモデルもあり、デザインにこだわることもできます。
節水性能が高い
水圧で直接流すタンクレストイレは、高い節水性能が長期的に見て大きなメリットになります。
タンクレストイレ | タンク付きトイレ | 従来のタンク付きトイレ | |
---|---|---|---|
商品名 | ネオレスト(床排水) | ピュアレスト | 1999~2004仕様商品 |
1回あたりの水量 | 大3.8L/小3.0L | 大4.8L/小3.6L | 大8L/小6L |
年間使用水量の目安 | 約18,688L | 約22,338L | 約37,960L |
年間水道料金の目安 | 約5,000円 | 約5,900円 | 約10,100円 |
▷参考ページ:レストルームカタログ(一般地・寒冷地) | TOTO
20年以上前のトイレと比べると、タンクレストイレは約半分の水量で流すことができます。
タンクレストイレにリフォームすることで、年間で5,000円近くの節約につながるのは大きいですよね。
また、現行品のタンク付きトイレと比べても、タンクレストイレは節水効果が期待できます。
年間で2リットルのペットボトル1,800本以上の節水です。
1回あたりの差は小さくても、数十年単位で見ると大きな節約効果が期待できます。
選べる機能が多い
タンクレストイレは選べる機能が多い点も特徴です。
ゆったり座れる幅広便座、リラックスミュージックや消臭など、タンクレストイレならではの機能が充実しています。
最近は、組み合わせトイレにもウォシュレット機能付きのタイプが増えていますが、自動洗浄機能などタンクレストイレしか選べない機能も。
より快適なトイレ空間を作りたい方には魅力的なポイントと言えるでしょう。
水を貯める時間が要らない
タンクレストイレは水を貯める必要が無く、短い待機時間で連続使用できるのも特徴です。
忙しい朝の時間帯に、家族で連続使用するときの待ち時間を短縮できるのは嬉しいですよね。
タンクに溜める時の水音も無いので、夜トイレに起きたときも家族への影響を少なく抑えられます。
タンクレストイレのデメリット
タンクレストイレのデメリットを紹介します。
本体に手洗いが付かない
タンクレストイレは、構造的にトイレ本体に手洗いを付けることができません。
今までタンク上部の手洗いを使っていた場合は、かなり不便を感じることになります。
トイレ内に手洗いが必要な場合は、トイレとは別途でミニ手洗い器を設置しましょう。
ただし、一般的な1畳サイズのトイレだと、手洗いを付けることで狭く感じることも。
こちらのようなコンパクトな手洗いを選ぶことで、狭さを感じずに快適な空間を作ることができます。
手洗いの使い勝手や周辺の収納棚を優先させるために、奥行きのある手洗いを採用したい場合は、トイレの間取り変更を検討しましょう。
ただし、トイレの幅を広げることで、他の空間が使いにくくなることも。
トイレのすぐ近くに洗面所があるなら、トイレ内の手洗いは不要かもしれません。
新たに手洗いを設置する場合、給排水工事・大工工事が必要になるためかなり費用がかかります。
使い勝手やコスト面を考えながら、トイレ内の手洗いの設置を検討しましょう。
停電すると不便
タンクレストイレは電気制御で水を流しているため、停電時は通常通り使うことができず不便なのも注意すべきデメリット。
タンク式トイレは停電時もいつも通り使えますが、タンクレスだとバケツに水を汲んだり手動レバーで流したりしなければいけません。
全く使えないわけではありませんが、今までと比べて不便に感じるでしょう。
水圧が弱いと設置できない
水道直結のタンクレストイレは、水圧が弱いとうまく流れないため設置することができません。
次のような住まいでは、設置できないケースも多いです。
- 給水管が細い昔の家
- 戸建て住宅の二階
- マンションの高層階
低水圧用のリフォーム商品もありますが、普通に設置するものより価格は高くなるのがデメリットです。
本体が高い
タンクレストイレはおしゃれなデザイン性や充実機能を備える分、タンク式トイレと比べると本体価格は高めです。
タンクレストイレ | タンク付きトイレ | |
---|---|---|
TOTO | 34.3万円~ (ネオレスト) | 29.3万円〜 (ピュアレスト) |
LIXIL | 30.4万円~ (サティス) | 24.6万円~ (アメージュシャワートイレ) |
Panasonic | 28.4万円~ (アラウーノ) | 21.6万円~ (アラウーノ) |
各メーカーの定価(税込)で、約5~6万円の差があります。
グレードやオプションの採用によっては、10万円以上高くなるケースも少なくありません。
タンク付きトイレとタンクレストイレの施工費も含めた費用相場については、こちらで詳しく掲載しています。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
ウォシュレットは専用品になる
タンクレストイレの便器とウォシュレットは一体で、専用品になるのも大きなデメリットです。
いくつかのグレードを選べる商品が多いですが、市販のウォシュレットは使えないため選択肢が限られます。
専用品なので市販品より割高になるのもデメリットです。
故障した際のリスクもあるので、次の章で詳しく解説します。
タンクレストイレはやめたほうがいいと言われる理由
タンクレストイレはやめたほうがいいと言われている理由を紹介します。
構造が複雑で寿命が不明
電気を使わないシンプルなタンク式トイレと比べると、タンクレストイレの内部は複雑な構造です。
電子制御部品もあるため故障リスクは高く、タンク式トイレより修理も複雑で困難が予想されます。
タンク式トイレのボールタップなどのパーツはホームセンターなどでも購入できますが、タンクレストイレのパーツは基本取り寄せです。
タンクレストイレは初登場の1993年から30年近く経っているものの、まだ歴史が浅く発展途上の部分もあります。
信頼性や耐久性など不利な面もあり、タンクレストイレはやめたほうが良いと言われるケースがあるようです。
ウォシュレットが一体で交換時に高額
タンクレストイレはウォシュレットが一体型のため、いざ故障したときの交換費用が高額になるのもやめたほうが良いと言われるポイントです。
タンク付きトイレのウォシュレットは規格化されているため、壊れたら電気量販店やホームセンターで買い替えることもできます。
しかし、タンクレストイレの場合市販ウォシュレットは使えず、割引率の低い専用品を買わなければいけません。
また、メーカーがウォシュレットパーツを製造中止した場合、本体はまだ使えても丸ごと交換が必要になってしまいます。
トイレは数十年使う設備ですが、電気製品であるウォシュレットは10年が交換の目安です。
ウォシュレット故障時のリスクは少し高いと言えるかもしれません。
費用をほかに回した方が良い
タンクレストイレは比較的高額なため、ほかの部分にお金を使った方が良いと考える方も多いようです。
タンク付きとタンクレスでデザインや機能性などに細かい差はあるものの、普通に使う分にはどちらも不便はありません。
10万円近くの費用をかけるなら、汚れにくいパネルや手すりなどほかの部分を充実させたほうが、便利なトイレになることもあります。
タンク付きトイレでも十分
タンクレストイレの節水性能や清掃性はとても魅力ですが、最近はタンク付きトイレの性能も進化しています。
節水性能の進化とともにタンクのサイズも小さくなっていて、デザイン・性能ともにタンク付きで十分と考える方も少なくありません。
ふき取りやすいフチなし形状やコーティングなど、基本機能はタンクレスもタンク付きもほとんど同じです。
特別なこだわりが無ければ、タンク付きトイレでも不満は感じないかもしれません。
タンク付きトイレの事例や交換費用はこちらのコラムをご覧ください。
▷タンクありトイレはフルリフォームにおすすめ!埼玉県の施工事例も紹介
【メーカー別】人気のタンクレストイレを紹介
各メーカーで人気のタンクレストイレを紹介します。
TOTO(ネオレスト)
TOTOのネオレストシリーズは、トイレをきれいに保つための工夫がたくさん取り入れられています。
- 使うたび除菌:水から作られた「きれい除菌水」が便器やノズル、便座裏を自動で洗浄します。
- 汚れツルリン:約1200℃で焼き上げたなめらかな陶器表面で汚れがツルっと落ちます。
- おそうじ超ラク:凹凸を極力なくしたデザインで汚れが溜まりにくくお手入れが楽々です。
トイレの仕様前後だけでなく、8時間トイレの使用がなかったときにも、きれい除菌水が噴射されてトイレを除菌してくれます。
▷参考ページ:ネオレストLS・AS・RS 商品情報 | TOTO
LIXIL(サティス)
LIXILのサティスシリーズは、インテリアのようなおしゃれなデザインやカラーがおすすめ。
サティスG・Sタイプ合わせて、9カラーのバリエーションがあります。
マット調のブラックやブラウン、グレーなどもあるため、トイレのデザイン性を高めたいならぴったりでしょう。
もちろん機能性も十分です。
- 「アクアセラミック」の便器で汚れが付きにくく落ちにくい
- イオンの力で便器内・ノズル周り・フタ裏・便座裏を除菌
また、ワイドな便座や着座時に自動で音楽がかかるなど、タンク付きトイレにはないリラックスできる機能もついています。
TOTOとLIXILのトイレについてはこちらのコラムで詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
▷TOTO・リクシル、トイレリフォームならどっちが良いか|費用事例も
Panasonic(アラウーノ)
Panasonicのアラウーノシリーズは、泡を使ってトイレのきれいさを保つ工夫がされています。
- 激落ちバブル:市販の台所用合成洗剤(中性)を使用して泡の力で便器内を洗浄します。
- トリプル汚れガード:表面に浮く泡の力やフチ・便座の構造によって壁や床へのトビハネを防ぎます。
アラウーノは有機ガラス系の便器を使用しているため、汚れやキズがつきにくいです。
また、陶器系の便器と異なりミリレベルの精密な生産ができるので、汚れが入り込むスキマや段差のない形状を作り上げることができています。
▷参考ページ:アラウーノ S160商品情報 | Panasonic
まとめ
タンクレストイレはメリットもたくさんありますが、注意すべきデメリットも存在します。
良い面・悪い面の両方をしっかり把握し、後悔のないトイレリフォームにしてください。
入間市を中心とした埼玉・東京西部のトイレ交換は、リフォーム専門店のハウスリンクにご相談ください。
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現場調査から見積もりは無料ですので、点検も兼ねてぜひお気軽にご相談ください。