無料の空き家に住むメリットと5つの注意点|0円で空き家に住むのは現実的か
空き家を探していると、次のようなフレーズを目にすることがあるでしょう。
- 「無料で空き家を譲ります」
- 「0円で空き家を手に入れる」
無料で土地と建物が手に入るのは、住まいを探す上で大きなメリットですが、不安を感じる方もいるでしょう。
しかし、実際に自治体が行っている空き家バンクでも、無料で空き家を譲るという物件が掲載されていることはあります。
そこで今回は、無料の空き家に住むメリットと注意点を紹介します。
無料で空き家に住むことは現実的なのかも解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
コラムのポイント
- 所有者が早く手放したいという理由から、無料で譲ってくれる空き家はあります。
- 実際には税金や登記費用などが掛かるため、完全に無料で空き家に住むことはできません。
- 無料の空き家は劣化が進んでいる物件も多く、リフォーム・リノベーションをしてから住むことが現実的です。
Contents
空き家とは
一般的に、空き家とは「誰も住んでいない家」のことを指します。
「空家等」とは、建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。第十四条第二項において同じ。)をいう。
近年、空き家の増加や放置が問題になっており、適切な管理や活用することが求められています。
空き家の種類
総務省が行った「平成30年住宅・土地統計調査結果」では、空き家は全国で848.9万戸あると報告されています。
しかし、中には管理されていて活用予定がある空き家もあり、すべての空き家が問題視されているわけではありません。
空き家は次の4種類に分けられます。
空き家の種類 | 内容 | 戸数 |
---|---|---|
①賃貸用の住宅 | 賃貸物件だが現在は借り手がいなくて空き家になっている | 432.7万戸 |
②売却用の住宅 | 売却予定だが買い手が見つかっておらず空き家になっている | 29.3万戸 |
③二次的住宅 | 別荘やたまに寝泊りする人がいる住宅 | 38.1万戸 |
④その他の住宅 | 賃貸用・売却用・二次的住宅のいずれにも当てはまらない住宅 | 348.7万戸 |
①~③の空き家は活用中または活用予定なので問題視されていません。
現在問題になっているのは「④その他の住宅」です。
空き家の「その他の住宅」とは,「賃貸用の住宅」「売却用の住宅」「二次的住宅」以外の空き家で,転勤・入院などのため居住世帯が長期にわたって不在の住宅や建て替えなどのために取り壊すことになっている住宅のほか,空き家の区分の判断が困難な住宅などを含む。
その他の住宅は、長期間放置されていると判断される空き家のことを指します。
空き家の問題点
空き家を管理していないと、さまざまな問題点が生まれます。
- 近隣住民に迷惑がかかる
- 景観が悪くなる
- 衛生面の悪化(ゴミの投棄など)
- 地震による建物の倒壊
- 屋根・外壁の落下の危険性
- 野良猫などが住み着く
- 不審者の侵入
建物の倒壊や屋根・外壁が落下することで、近隣住民や通行人にケガを負わせてしまう可能性もあります。
不審火によって建物が燃えた場合、隣家に燃え移るかもしれませんので大変危険です。
また、管理していない空き家は、「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定されることがあります。
すると、固定資産税の軽減措置が受けられず、支払う税額が6倍になることもあるため注意が必要です。
▷参考ページ:地方税制度|固定資産税|総務省
▷参考ページ:住宅:空き家対策特設サイト|国土交通省
固定資産税については、こちらのコラムで詳しく解説しています。
▷関連コラム:空き家の固定資産税が6倍に!いつから?埼玉のリフォーム会社が対策を解説
管理できていない空き家は多くのデメリットがあるため、「無料でもいいから早く手放したい」と考える方も少なくありません。
空き家バンクを活用して無料で空き家に住むことはできるのか
空き家バンクを活用して、無料の空き家を見つけることは可能です。
- 空き家バンク:各自治体が運営している空き家の情報提供を行うサービス
自治体が空き家バンクへ情報を掲載し、売りたい人と買いたい人のマッチングを行ってくれます。
探している自治体の空き家バンクへ利用者登録を行うことで、情報の閲覧や相談を行うことが可能です。
空き家バンクの窓口は地方自治体のため安心感がありますね。
自治体がマッチングしてくれた後に売り手・買い手の両者が合意すれば、空き家を無料で譲渡することができます。
つまり、空き家の建物自体は無料で手に入れることができるということです。
無料で空き家に住むメリット
無料で空き家に住むメリット・デメリットを紹介します。
無料で土地と建物を手に入れることができる
良い空き家が見つかれば、無料で土地と建物を手に入れることができます。
新築住宅の場合、どんなに安くても数千万円の費用がかかるため、かなりお得ですよね。
無料で不動産を手に入れることができる点が最大のメリットです。
空き家バンクを活用すると補助制度が受けられる自治体もある
空き家バンクを利用して空き家を取得した場合、補助が受けられる自治体もあります。
また、空き家取得後の改修や建物内の片付けに対して、補助金制度が用意されているケースも。
補助制度を上手に利用して、よりお得に空き家に住みましょう。
気軽に田舎暮らしを始められる
建物と土地が無料に手に入るなら、気軽に田舎暮らしを始めることができます。
空き家バンクに登録されている無料の物件は、地方にあることが多いです。
移住をして田舎でゆっくり暮らしたいという方に、無料の空き家はおすすめです。
無料で空き家を手に入れて、時間や手間をかけて暮らしやすい住まいへアップデートできる楽しさもあるでしょう。
無料の空き家に住む5つのリスクや注意点
無料の空き家に住むリスクや注意点を紹介します。
①建物の劣化が進んでいる可能性がある
無料の空き家は、有料の空き家と比べて建物の劣化が進んでいる可能性があります。
所有者が「価値をつけなくても良いから手放したい」と思う物件ですからね。
中には次のような空き家があるかもしれません。
- 長い間手入れされずに内外装がかなり傷んでいる
- 配管がサビていて使えない
- シロアリの被害を受けている
- 構造体が腐食している
- 雨漏りしている
このような物件は無料で手に入れても、リフォーム費用が高くなってしまいます。
手に入れたい物件があるなら、専門家やリフォーム会社などに状態を確認してもらうことをおすすめします。
②建物内の片付けが済んでいないことがある
無料の物件は、建物内の片付けが済んでいないまま引き渡されるケースも少なくありません。
すると、新しい所有者が荷物の片付けや廃棄を行う必要があります。
業者に依頼して片づけをしたり、ゴミを処分したりする際に費用がかかってしまいます。
何より、一軒家の片付けをすることは大きな労力と手間がかかりますよね。
取り引き前に建物内の状態を確認し、引渡し時の状況を相手側と話し合っておきましょう。
③無償で譲渡を受けるときは贈与税がかかる
空き家自体の価格は無償でも、不動産を譲り受けると贈与税がかかります。
贈与税は110万円の基礎控除額がありますので、差し引いた金額の支払いが必要です。
贈与税の税率は以下の通りです。
基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
200万円以下 | 10% | ‐ |
300万円以下 | 15% | 10万円 |
400万円以下 | 20% | 25万円 |
600万円以下 | 30% | 65万円 |
1,000万円以下 | 40% | 125万円 |
1,500万円以下 | 45% | 175万円 |
3,000万円以下 | 50% | 250万円 |
3,000万円超 | 55% | 400万円 |
▷参考ページ:No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|国税庁
建物や土地などの不動産は「固定資産税評価額」が課税の対象になります。
例えば、無料で譲り受けた空き家の固定資産税評価額が500万円の場合は、次のような計算です。
- 評価額 500万円-基礎控除110万円=課税価格390万円
- 課税価格390万円×税率20%-控除額25万円=贈与税額53万円
ただし、古い建物の場合は固定資産税評価額の価格がほぼついていないことも少なくありません。
契約前に評価額を確認し、贈与税額をシミュレーションしておきましょう。
④登録免許税や不動産取得税がかかる
空き家を無料で手に入れても、登録免許税や不動産取得税がかかります。
- 登録免許税:建物の所有権移転登記を行う際にかかる税金
- 不動産取得税:土地や建物などを取得した際にかかる税金
どちらも支払いは1回のみです。
登記を専門家に依頼する場合は、別途費用がかかります。
その他に、固定資産税や都市計画税は毎年支払いがあります。
空き家は無料でも諸費用がかかるため、必要な費用を把握しておくことが大切です。
⑤無償譲渡は個人間の契約のため手間がかかる
無償譲渡は基本的には個人間のやり取りです。
そのため、話し合いや契約を自分達主体で行わなければなりません。
とはいえ、不動産譲渡は複雑な面もあり手間もかかるため、専門家に頼る方も少なくありません。
中には自治体がサポートしてくれたり、専門家の手配をしてくれたりすることもあります。
不安な方は、事前に自治体の空き家バンクに相談してみましょう。
無料の空き家に住むならリノベーションが現実的
無料で空き家を手に入れることはできます。
しかし、建物は劣化していることが多いため、そのまま住むことは現実的ではありません。
実際には、次のようなリフォーム・リノベーションを行ってから住む方がほとんどです。
- 水回り設備の交換
- 内外装の張り替え
- 照明器具の交換
- 外構の整備
また、必要に応じて次のような工事も必要です。
- 耐震補強工事
- 断熱リフォーム
- 配管工事
- 防蟻処理
- 腐食した構造体の交換・補修
ご自身の暮らしに合わせた住まいにしたいなら、間取り変更を行っていも良いでしょう。
建物の状態が良い空き家を有料で購入し、リフォーム・リノベーションをした方が建物が長持ちする可能性もあります。
トータル的な費用やメリットを考えながら、空き家を検討することが大切です。
空き家リフォーム・リノベーションの費用や事例はこちらで紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
▷関連コラム:【空き家リノベーション・リフォーム】埼玉県の成功事例3選と後悔しないためのポイントを解説
▷関連コラム:埼玉県の空き家リフォームの費用はどのくらい?補助金はある?
まとめ
無料で空き家が手に入るのは大変魅力的ですよね。
しかし、実際には大規模なリフォームが必要で税金の支払いもあるため、無料で住むことは難しいケースがほとんどです。
有料でも状態が良い空き家を選んだ方が、住むまでの費用を抑えられる可能性もあります。
空き家は購入前にリフォーム会社などに状態を確認してもらって、必要な工事を相談しながら検討しましょう。
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無料で空き家を手に入れてリノベーションを検討している方も、ぜひお気軽にご相談くださいね。
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